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しょうゆラーメン

実は、現在東京、青森、秋田の旅をしている。
何旅行?見聞旅行。

自分が見たかったもの、人にあって聞きたかったものを調べながら回っている。
昨日書いたブログものそのひとつ。

旅は目的どおり行かないのがそのおもしろさ。また人とあっていろんな話を聞き、友達になるのも醍醐味のひとつだ。

「ごめんね、こんな太ったのが横で。」
「大丈夫です。」
あ、認めてるね。僕が太ってること。
「青森に住んでるの?」
「いえ、出身は青森なんですけど、今は東京です。」
これが青森のイントネーションか。
「僕は始めてんだけど、夜行バスは普段利用するの?」
「いいえ、めったに、時間の都合上。」

夜11時30分に東京駅丸の内南口からでる深夜バスは定員約30名の所、いっぱいである。
東京の用事をすますと、確かに朝に目的地につける深夜バスは魅力的だ。料金もそうである。
現在、楽天トラベルで東京青森間は4800円。JRでは、20000円以上かかる。飛行機も同様。まあ、乗ってみてびっくり。こんなにい人で満杯だとねれないよな。
浅い眠りをくりかえし、青森に到着したが、僕の知る限り、(もちろんおきてる間)いびきが聞こえなかった。(僕が寝てる間に回りは迷惑がっていたかもしれない。)

「なにしに青森に行くんですか?」
「これ、」
加藤氏(以前のブログに登場)の著書「挑戦するまち」をみせた。
「なんです?」
「青森市は今、全国から町おこし、地方行政のあり方という点で注目されてるんだよ。」
「へえ、まったく知りませんでした。」
「そうか、東京長いとわからないかもね。」
「ちょっと中見せてもらえません?」
「いいよ。」
25歳の茶髪で長身のかれは、歌舞伎町で見かけるような、男の子である。加藤氏の本をとるとすごいスピードでページをめくる。人差し指で押さえた前のページ、作者の経歴、あとがき、前書き、略図をあちこち、ページを変えながら、完読していくのがよこでよくわかる。ものの15分で読み終える。
「すごいね。読書がすきなの?」
「はい大好きです。二日に一冊呼んでます。」
がーん、すげえショックであった。羨ましい。自分はどんなにがんばってもそんなに早く読めない。
「面白いですね。青森市長かっこいいこといってますね。」
「こんなこと考えてる人が青森にいたなんて。なんかわくわくしますよ。」
若いのにすげーなこの子。素直だな。

「君は何しにいくの?実家に里帰り?」
「いいえ、店舗の立ち上げなんですよ。」
「へえ、すごいね。なんの?」
「バーです。普段はアパレルのほうの担当なんですが、青森に関しては自分の担当で、部門関係なくやらされます。キャバクラ3件立ち上げてるんで慣れていますが、立ち上げは本当に面白いです。プロジェクトチームがみんな120%の力できますからね。」
キャバクラ関係者と話すのは初めてだ。
「普段は、全国のキャバクラ嬢に仕入れたドレスを売ってます。自分、仕入れから販売まですべてしないときがすまないので、責任もって売ってますよ。」

はなしを聞いてみると、彼は中学をでたら、すぐに水商売のバイトを始めた。そのとき、東京からきていた社長と知り合い、誘われるでなく東京にその社長のあとつけ、彼いわく「ごねて、ごねて」バイトで雇ってもらったらしい。本を読むのも社長に「話を聞く力、理解する力をつけるため」に読むよういわれたらしい。

周りは深夜の3時でうたた寝した乗客ばかりだが、二人で朝9時までしゃべり通しであった。
リッツカールトン、キリスト、神道、おもてなし、キャバクラ、おとこの道理、いろんなキーワードが出てきた。本当にガッツのある男の子とたのしい時間をすごした。

「ここだな。うめー。」

昨日の晩、彼の紹介してくれた煮干し出汁しょうゆラーメンの店「まるかい」。いらっしゃいませも言わない愛想のない店だ。しゃべる言葉は、

「どっち?」 (時効警察にでてくる食堂風)

彼が説明してくれたとおり、中・大 のラーメンのメニューしかない。

旅で知り合えた友の話は信じてよかった。しょうゆラーメンは最高においしかった。


しょうゆラーメン_e0011934_72710100.jpg


   まるかい
by nobuokajiokaivy | 2007-05-23 07:31 | つれづれ
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