「墨家」久しぶりのアップだ。ご無沙汰している。本当は長崎市長の問題など、時事問題を書くのがよいのだろうが。関係なくいつものように自分の感心したことを書くことにする。 いつものカレーうどんのにしむらにいった。「にしむら」では必ずカレーうどんでなくカレーライスを頼む。 カレーライスの方がうどんより時間がかかる。その間にすること、それはマンガを読むことだ。 「墨攻」 はまった。その「墨家」の存在さえ知らなかった自分が悔しいほど、知りたい病を喚起させるイデオロギーをマンガにみた。 カレーライスを食べ終えても昼休みをわすれて二冊読んでしまった。 全くわからない人もいると思う。 「墨家」とは、秦の始皇帝が統一をはかる時期を最後に消えた諸子百家の一つの思想集団である。おそらく孔子よりあと、孟子より前の時期に活躍した?のが「墨子」である。 この集団はほとんど、諸子百家のほかのものに語られることがない。また語られることがあっても非難が主なのだ。しかしその中で一番勢力が強かったのも「墨家」なのである。しかし、それ以降「清」の時代がくるまで語られることがなかった。 どういった思想だったのか、マンガの中にでてくる例からいうと、 「兼愛」 天子の下に皆平等。おそらく歴史上初の博愛主義。 「非攻」 どんな時代でも人を殺すことを容認する役人、思想家はいない。犯罪と見なされる。戦争となると殺害が容認される。何のための哲学で制度なのか?戦争を仕掛ける行為に問題があるとし、攻撃をする社会意識を非難した。 「墨守」 これが一番変わったところだ。戦いは仕掛けないが、守り抜くというのだ。守り抜く戦いはするという。 話の中では、上の三要素が非常によくでてきている。そして、かれらは、守り抜く傭兵集団であり、技術集団でもあった。 実用主義に徹する考えは当時の戦国の世に生き抜くなかでは、重宝されたのであろう。また、わかりやすい思想は、儒教に比べ政治色が薄く利用しがいがないものだったのであろうことからほかの思想集団から非難され歴史に残らなかったのであろう。 その後、マンガをオークションで全巻一括購入した。あっという間に読んでしまった。 といっても実は、原作がしっかりしているのだ。 「墨攻」酒見賢一 著 新潮文庫 この作品は、中島敦記念賞を受賞しているほど、原作もおもしろいらしい。 時間のある人は文庫もいいと思う。(僕は読んでない。読むぞ!) さらに付け加えると去年映画も公開されていたらしい。これも知らずじまいだった。ことしDVDがたぶんでるだろうから楽しみにしている。原作はこれでありながら、おもしろいことに中国、韓国、日本の共同制作であったらしい。 最後に清の時代まで中国では振り返られることのなかったことについてちょっと書こう。 清は西洋列強の圧力に負けかけていた時代に、中国の知識人が墨家の存在を調べ当てたという。 西洋の基礎数学ゼロの概念など多くの知識を持った集団があったことを発見した。また多くの専守方法、理論を持った集団だとわかったが、生かすことができなかったらしい。 また堅かったかな? 参考図書「諸子百家」 -----imode 庭の店アイビー 梶岡誠生
by nobuokajiokaivy
| 2007-04-18 14:56
| 映画・演劇・本
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